デンソー女性社員と副知事の座談会
愛知県では、全庁を挙げて「あいち女性の活躍促進プロジェクト」を展開しています。
県内では、様々な業種の企業で女性が活躍されていますが、この度、製造業の企業から、株式会社デンソーの女性社員の皆さんに仕事のやりがい、職場の雰囲気、そして愛知で働く魅力等についてお話を伺いました。
プロフィール
写真左から
岩本さん
技能職、モビリティエレクトロニクス製造2部 係長。生産の進捗管理や人員管理・育成を担当。愛知県出身
中野さん
事技職(事務系)、トラクション&アクセサリモータ製造部 課長。生産管理やガソリン車から電気自動車へのポートフォリオ変革下における事業再編を担当
大黒さん
事技職(技術系)、担当係長。材料技術部にて製品のニオイ評価・分析技術の開発を担当
松井さん
事技職(事務系)、担当課長。人事部にて女性活躍推進や人的資本開示※を担当。愛知県出身
※人材に関する取組や成果を広く外部に広報すること
座談会
入社を決めたきっかけと、現在の仕事内容
古瀬副知事:
愛知県では女性の活躍促進に取り組んでいますが、より多くの県民の皆様に、県内企業で活躍されている女性の方が沢山いらっしゃるということを知っていただけたらと思っておりまして、本日は皆様に、お仕事にまつわる色々なお話をお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。
まずは、皆様が入社を決めたきっかけと、現在どのようなお仕事をされているか、お一人ずつ教えてください。
中野さん:
もともと大学時代から海外での業務や物流貿易に大変興味がありました。当初は自動車業界に興味があった訳ではありませんでしたが、就職活動をするなかで、愛知県の自動車の分野でも興味のある業務に取り組めると分かり、就職を決めました。また、採用を担当していた社員の人柄にも惹かれました。
現在は、生産管理という仕事にマネージャーとして携わっており、お客様の需要に基づいた生産管理の立案や、その計画に向けた部品の受発注の業務、生産現場での進捗管理等の業務を束ねています。また、海外生産拠点もありますので、輸出や輸入に関しての仕事もしています。
古瀬副知事:
お客様の需要環境も、部品の生産に当たっても、時々の社会情勢の影響を受けますよね。
中野さん:
そうですね、今はグローバルに世界各地から供給をしていただいているので、世の中で様々な事象が起きる中でも、いかにお客様に供給を続けるかということを使命として、日々取り組んでいます。
大黒さん:
私は、大学院まで研究をしていて、自動車の走行安全に自分の勉強してきた内容が活かせるということ、また、世の中に安全を届けたいという使命感から就職を決めました。
現在は、全社で作っている製品に使う素材を取り扱う部署で、ニオイの評価と分析を担当しています。人がニオイを嗅いでどのように感じるかを数値化したり、分析装置を使ってどのような成分が原因でニオイにつながっているのかを解析するなど、人の快適性に関わる業務を行っています。
古瀬副知事:
ニオイは、新商品の開発の際に起きるものなのでしょうか。
大黒さん:
そうですね。新商品もですし、どちらかというと素材を変更した時などでニオイの分析が必要となります。
松井さん:
私は、もともと地元が愛知県です。就職活動を始めた時は「海外で働きたい」という軸があり、地元に戻ることは考えていませんでしたが、いろいろな会社を見ていく中で、自動車業界や部品の業界は海外勤務のチャンスが多いと感じ、デンソーの「海外で働くことができ、ベースは地元である愛知で働ける」というところを魅力に感じて就職しました。
古瀬副知事:
今は人事の関係のお仕事を?
松井さん:
はい。人事で女性活躍を担当しています。また、人的資本開示の関係ですが、統合報告書等で人事の活動を外に広く広報するような仕事も担当しています。
岩本さん:
私は、両親がデンソーで働いており、幼い頃から会社のイベントなどで親しみを持っていたため、あまり迷わずに就職しました。現在は5本の生産ラインを担当しており、派遣社員や期間従業員、時短勤務社員など多様な人材53名をまとめて、日々の生産進捗管理や育成を行っています。また、女性の管理者が働きやすい環境をつくる社内活動にも参加しています。
古瀬副知事:
会社のイベントとはどんなものがあるのですか?
岩本さん:
私が子どもの頃は、運動会や福利厚生の保養所に両親が連れていってくれて、「デンソー」という会社名にも親しみを持ちました。
松井さん:
現在でも例えば、「ファミリーデー」といって、社員の家族向けに職場見学や体験イベントを行い、会社や仕事への理解を深めてもらうような機会を設けています。
これまでの仕事で大変だったことと、どのように乗り越えたか
古瀬副知事:
これまでの仕事で大変だったことと、どのように乗り越えたかについてお伺いします。
岩本さん:
一番大変だったのは、男性が就くと思っていた班長に自身が任命されたときです。当時は子供も中学に入ったばかりで子育てとの両立や人前に立つことへの不安がありました。一方で少しやってみたいという気持ちもありました。上司が不安を一つずつ整理し解決策を一緒に考えてくれたことで、チャレンジする一歩を踏み出すことができました。
中野さん:
ここ3年くらいで、事業環境の変化に応じて職場メンバーが6割程度に減るなかで、マネージャー職を担っています。シニアの方や育児・介護と両立中の方などを中心メンバーとして仕事を進める中で、メンバーに寄り添い、サポートしながら仕事を任せることで、安心して新しいことにチャレンジしてみようという気持ちを持ってもらうことができ、大きなプロジェクトを成し遂げることができました。
古瀬副知事:
多様な人材に活躍していただくということを実践されたのですね。
中野さん:
本当に多様なメンバーがいる中で、「一人ひとりが活躍できる機会がある」ということをメンバーの皆さんに理解いただいたのではないかなと思います。
働きがい、働きやすさ
古瀬副知事:
会社のどのようなところに働きがい、働きやすさを感じているかについて、教えてください。
大黒さん:
研究・技術開発の職種であることもありますが、個人の業務の裁量の幅が広いです。自分で仕事の目標設定や業務の進め方を決めることができ、目標に向かって挑戦できる点が、成長を実感できて、働きやすさ、やりがいを感じています。また、環境としては、在宅勤務など柔軟な働き方ができ、上司にも相談しやすい風通しの良い雰囲気があります。
古瀬副知事:
自律的な働き方ができるのですね。研究にもいろんなスパンのものがあると思いますが、どのくらいのスパンのものを担当されているのですか。
大黒さん:
短期的に2~3年で解決するべき課題と、中長期的に5~10年先を見据えて準備しておくものと、両方の軸で進めています。
古瀬副知事:
研究の世界は息が長いですね。岩本さんはいかがですか。
岩本さん:
生産ラインでは、担当業務のスキルを身につける必要がありますが、性別や年齢に関係なく教育制度が充実していて、個々のスキルを伸ばすことができるところが魅力だと感じています。また、ワーク・ライフ・バランスを支える制度が多く働きやすいです。私の職場でも制度を使いながら仕事と子育てを両立している方も多いですし、男性で育休を取得される方も今とても多いです。
デンソーの女性活躍推進について
古瀬副知事:
人事担当の松井さんにお尋ねしたいのですが、女性活躍について、会社としてどのように取り組まれているか教えてください。
松井さん:
採用、育成、両立、昇格といった様々なフェーズにおいて、男女が性差なく、いきいきと働けることが目指している姿です。特にこれまでは、ライフイベントとの両立に向けて、短時間勤務や育休など様々な制度を整えてきましたが、ここから先はもう一歩レベルアップし、単純に働くこととライフイベントとの両立だけでなく、性別に関わらず望むキャリアを実現していける会社になることを目標として、特にマインドの部分に働きかける取組をしていきたいと考えています。例えば、上司が「女性だから○○だよね」というマインドを持たずキャリアの実現に向けて支援するとか、女性側も「自分にはできない」と諦めてしまうことなく、自身が望むキャリアを描いて実現できるようにしていきたいです。
古瀬副知事:
職種も統合されたのですよね。
松井さん:
はい。実務職(一般職)と総合職を統合して『事技職』に一本化しています。これまでは、旧実務職の方がキャリアアップを望んだ際に制度面で壁がある状態でしたので、会社の制度でキャリア実現の壁になっているものは取り払おう、ということで一本化しました。
古瀬副知事:
おっしゃるように、女性活躍は、働きやすさと働きがいの「両方で」進めていくことが非常に大事ですよね。
取組を進めて女性社員が増えてきたことで、会社の環境や雰囲気に変化はありましたでしょうか。中野さんいかがでしょうか。
中野さん:
働く場所や時間について、会社がフレキシブルな働き方ができるように制度を整備し、皆さんが働きやすい環境ができてきたという変化があります。
また、女性が増えたことにより、時間に制約がある人がいてもコミュニケーションをとってチームで補填し合う関係性が築けています。
例えば再雇用のベテランの方等も含め、メンバーの強みを生かしながら、本人の希望や時間制約に合わせた役割を組織が考えることで、女性だけではなく、職場のメンバー全体の働きやすさにつながっています。
古瀬副知事:
女性活躍を進めたことで、全ての社員の方々の働きやすさにつながったのですね。社会全体の年齢構成も上がっていく中、全員活躍は重要ですね。
愛知県に住み、今の会社で働くことについて
古瀬副知事:
愛知県に住み、今の会社で働くことについてどのように感じていますか。また、今後どうしたいと考えていますか。
大黒さん:
愛知県は都市と自然のバランスが良く、安心感をもって生活と仕事に集中することができていると感じています。今後は自身の専門性を活かして、社内での職種転換にも挑戦し、さらなる成長につなげていきたいと考えています。
古瀬副知事:
子育ての面で、愛知県はどうですか?
大黒さん:
子育て支援が充実していることに加え、公園が多くて遊具も幅広い年齢の子どもが楽しめるものがあるところが魅力的だと思っています。山にも海にもアクセスできるところも良いです。
古瀬副知事:
松井さんはいかがですか。
松井さん:
近くに住む両親の力を借りながら仕事と育児を両立しています。愛知県には大きな企業があって専門性を高めるチャンスがあり、住みやすく子育てもしやすいと感じています。出張に行く際も移動がしやすく地の利も感じます。将来的には人事の専門性を深めて、いずれは再び海外勤務をしたいと思っています。
就職を控える若者や女性へのメッセージ
古瀬副知事:
最後になりますが、これから就職を控える若者や女性へのメッセージをお一人ずつお願いします。
中野さん:
仕事は人生の中で半分以上の時間を費やすものなので、成長や生きがい、やりがいを感じられることがとても大事であると考えています。私自身は元々、物流や海外業務に興味があり、現在製造業に従事しながらそれらの分野の業務にも携わっています。就職活動ではぜひ、自身の興味のあることややりがいが感じられそうなことをしっかり整理をし、マッチングする企業を見つけて、将来をより豊かにしていっていただきたいです。その結果として、我々のような製造業とマッチしていただけたら嬉しいなと思います。
大黒さん:
10年前の自分は、目の前の課題や論文に取り組むことに精一杯で、就職活動では業界研究はしたものの、自分の研究に関連する仕事ができればと思っていました。仕事をする期間は人生の中でも長いので、自分が前向きに取り組め、挑戦ができ、自分にとって長期的に価値のあると思える環境に身を置くことが大切だと思います。是非、就職活動という自分の価値観や強みを見つめなおす良い機会ですので、ご自身の棚卸をしていただければと思います。
松井さん:
働くって、楽しい。ということを伝えたいです。もちろん、そう思えない日もたくさんありますが、自分がやりたいことや実現していきたいことに日々近づいていくことで楽しさにつながると思います。自分がやりたいこと、「WILL」を大切にして欲しいです。今はまだはっきり見えていなくても、やっていくうちに大きくなったりクリアになったりすると思うので、考え続けることが大事だと思います。
岩本さん:
私の今があるのはチャレンジし続けたからだと思っています。就活中の方にも自分の可能性を決めつけずに挑戦して欲しいです。私自身も、入社当初は係長になるとは想像もしていませんでしたが、周囲の支えや後押しを受けながら一つひとつ挑戦し、選んだ道を正解にできるようにしてきた結果、今会社生活が充実していて楽しいです。ぜひ、皆さんにもチャレンジして会社生活を充実させていただければと思います。
古瀬副知事:
ありがとうございました。自分の思いや価値観を大切に、そして「選んだ道を正解にしていく」というマインドはとても大事ですね。
皆様が、それぞれの専門分野で日々挑戦を続けていらっしゃるお話を伺って、私自身も刺激を頂きました。
本日は、大変有意義なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。