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採用に関する取組

ポイント

  • 自社における女性活躍推進の取組をホームページ等に掲載することで、女性活躍に対する企業の姿勢をアピールすることができます。

事例

会社ホームページでの女性活躍の取組状況の紹介

  • 会社ホームページを改修し、女性活躍の取組内容を掲載したり、女性従業員を積極的に紹介したりするなど、社内の状況を応募者に伝えるようにした。(株式会社ヒロテック:従業員規模1,001人以上)

ポイント

  • 採用活動の様々な場面で、自社の女性従業員が働く様子や実際の業務内容等を伝えるとよいでしょう。
  • 女性従業員を採用担当に配置したり、女性従業員と学生が触れ合う機会をつくることで、女子学生にとっても働くイメージがつきやすくなります。

事例

会社説明会での女性従業員による説明

  • 会社説明会で先輩社員が話す機会を設けているが、女性従業員からグローバルな仕事を紹介することで、関心を持ってくれる女子学生が増えてきた。(株式会社ヒロテック:従業員規模1,001人以上)

採用担当者に女性を登用

  • 採用担当のメンバーに女性を登用。インターンの際等に、丁寧で細やかな気遣いをしてくれており、学生からの評判もよい。(株式会社FTS:従業員規模1,001人以上)

技術職・営業職の女性従業員をリクルーターとして活用

  • 技術職・営業職の女性従業員をリクルーターとして活用し、採用活動に携わってもらっている。また、技術系や文系の女子学生を対象としたインターンシップを実施している。(株式会社アイセロ:従業員規模301人~1,000人)

ポイント

  • 愛知県では、女性の活躍促進に向けて積極的な取組を行っている企業等を「あいち女性輝きカンパニー」として県が認証することにより、働く場における女性の「定着」と「活躍」の拡大を図っています。
  • こうした公的な認証制度を積極的に取得することで、自社の取組状況を客観的・対外的にアピールすることにつながります。

事例

女性活躍・ダイバーシティ推進に係る公的な認証・表彰等を通じた対外的な発信

  • 国や自治体による女性活躍・ダイバーシティ推進等に係る公的な認証や表彰等を取得することで、会社の知名度が向上し、採用にも良い影響がもたらされている。(株式会社FTS:従業員規模1,001人以上)

ポイント

  • 理系の女子学生数が少ないことから、特に開発・設計・生産部門では女性の採用が難しい場合があります。
  • 地元の高校・大学等と連携して、出前授業やワークショップ等を開くことで、積極的に、女子学生が自社に関心を持つ機会をつくっている企業もあります。

事例

採用活動における大学との連携

  • 女性従業員の比率が低く、特に女性エンジニアの人数が少なかった。女性の採用者数を広げるためにも、各大学で講演や講義を行い、女性活躍推進を各大学とタイアップして行っている。(日本特殊陶業株式会社:従業員規模1,001人以上)

理系女子学生対象の採用セミナーの開催

  • 理系の女子学生のみを対象とした採用セミナーを開催している。理系出身で、キャリアアップ志向が強い女子学生の応募を促している。(従業員規模1,001人以上)

ポイント

  • 理系の女子学生にとどまらず、文系の女子学生も含めて採用対象を広げることが考えられます。
  • 入社後の育成を丁寧に行うことで、もともと専門知識を持っていない従業員が現場で活躍している企業もあります。

事例

多様なルートからの採用

  • 当社を取り巻く環境では、男性や理系の女性の採用は難しいことから、製造現場の業務経験がない文系の女子学生も対象としている。また、第2新卒や、子どもが大きくなってからの再就職、コロナ禍による転職等、多様なルートから採用を行っている。(株式会社エーピーシィ:従業員規模100人以下)

人材重視で採用しOJTで育成

  • 人材重視で性別を問わずに採用しており、近年の新卒採用は男女ほぼ同数となっている。当社の設備を備える大学・高校はないので、入社してから仕事を覚えてもらっている。このため、本人のやる気を重要して採用をしている。(コクネ製作株式会社:従業員規模100人以下)

文系出身者に対して社外での学びを提供

  • 中小企業では理系の女性の採用が難しいことから、文系・理系を問わず採用を行っている。「文系でもモノづくりが好きならできる」とハードルを下げるところからスタートし、実際に文系出身で技術職に就いている女性もいる。社外での学びも経験してほしいと思っているため、大学の共同研究へ参加し、大学の先生の下で学ぶ機会も設けている。(エイベックス株式会社:従業員規模301人~1,000人)

女性技術者の積極採用

  • 女性技術者を積極的に採用している。具体的には、インターンシップを実施したり、入社後のキャリア形成支援に取り組んでいる。(従業員規模301人~1,000人)

両立支援に関する取組

ポイント

  • 多能工化とは、一人の従業員が複数の技術・技能を身につけることで複数の業務に対応できることを意味します。
  • 生産部門の多能工化をすすめることで、従業員のスキルが向上するとともに、業務を平準化して特定の従業員が業務過多になることを防ぐことができます。

事例

多能工化による能力開発と両立支援

  • 多能工化を進めることで、欠勤・休暇・休業等の時も、誰かが代わりを務め、安定した品質で生産できるようになった。また、様々な業務スキルの向上を実感ができるとともに、お互いの仕事の大変さが分かり、業務負担の不公平感も低減した。社員は、私たちの会社ということを実感していると思う。(白藤工業株式会社:従業員規模100人以下)

多能化によるバックアップ体制の構築

  • 業務の繁閑に柔軟に対応でき、時間制約のある社員も活躍できるよう、業務の平準化、多能工化、一定の社員数の確保を図り、特定の人が残業過多にならないようにしている。多能工の能力は評価で重視しており、賞与に反映している。(株式会社エーピーシィ:従業員規模100人以下)

多能工化による作業の平準化

  • 特定の技術を有する技術者が限られ、一人に負担が集中する状況を改善するため、管理職以外の従業員も積極的に多能工化を進めている。実際、社内で複数名が担当できるようになることで、作業や仕事の平準化が図れるようになったものもある。(ペアコム株式会社:従業員規模100人以下)

ポイント

  • 従業員のワーク・ライフ・バランスを確保するためには、各職場で年次有給休暇をはじめとする各種休暇を取得しやすい・定時で帰りやすい環境を整備することが重要です。
  • ノー残業デーや休暇カレンダー等の仕組みを使い、休暇の取得促進を進めるとよいでしょう。

事例

休暇カレンダー等を活用した休暇取得促進

  • 年次有給休暇の取得促進に向けて、年次有給休暇を取得したら、どこに行きたいか、何をしたいかを予め決めて、従業員に実現してもらうという試みを行っている。こうした取組によって、年次有給休暇の平均取得率は約50%となっている。(株式会社九州タブチ:従業員規模101人~300人)

年次有給休暇の申請手続きの簡素化

  • 年次有給休暇を申請する際は、記入済の申請書をポストに入れて勤怠表を塗りつぶすだけでよく、上司への相談は必要ない。申請手続きの簡素化により、年次有給休暇を取得しやすい雰囲気をつくっている。(株式会社エーピーシィ:従業員規模100人以下)

年次有給休暇の時間単位取得

  • 本社部門ではフレックスタイム制やテレワーク勤務制の導入により働き方の柔軟化を進めているが、工場では同様対応は難しいため、年次有給休暇の時間単位取得を導入し、休みを取得しやすいようにしている。(カゴメ株式会社:従業員規模1,001人以上)

ノー残業デーの実施

  • 毎週金曜日をノー残業デーに設定。ノー残業デーの日は、経営者から従業員に対してメールを送り、定時退社が守られるよう促している。(エイベックス株式会社:従業員規模301人~1,000人)
  • 製造現場以外の部門では、毎週水曜日に一斉定時退社の日を設定している。女性だけではなく男性も定時で帰り、男性が家事・育児等を分担することで、女性にとっても働きやすい雰囲気の醸成に努めている。配偶者が別の会社であっても、社会全体として女性が働きやすい環境になればと考えている。(豊田鉄工株式会社:従業員規模1,001人以上)

部門間の助け合い

  • 製造現場の業務の繁忙期には、17時以降に営業系の職員が全員で組立を手伝うなど、協力する風土が培われている。(コクネ製作株式会社:従業員規模100人以下)

ポイント

  • 仕事と育児・介護等との両立を支援するため、育児・介護規定を従業員が使いやすいよう見直していくことが重要です。
  • 子が小学生になっても短時間勤務制度を利用できるようにする等、法定以上に制度を充実させている企業もあります。

事例

育児のための短時間勤務制度の拡充

  • 育児休業を取得して復職した後、短時間勤務を希望する従業員に対して、法定の子が3歳以降も利用できるようケースバイケースで対応している。こうしたソフト面の取組は、従業員からニーズが出てくればその都度検討している。(興津螺旋株式会社:従業員規模100人以下)
  • 短時間勤務制度の利用対象は、従来は子が小学校に入学する前までとしていたが、女性従業員から多くの意見が出されたことを受けて、子が小学校3年生になるまでに延長した。(株式会社ヒロテック:従業員規模1,001人以上)
  • 子が小学校6年生まで一日6時間の短時間勤務ができるよう、就業規則を改定した。希望すれば、一日7時間勤務も可能である。(エイベックス株式会社:従業員規模301人~1,000人)
  • 短時間勤務制度を小学生3年生までの間、1日4時間、6時間、7時間の中から選択肢できるようにした。7時間はより積極的にキャリアを形成したいという従業員等を想定しており、従業員それぞれが自身に合った働き方を生産部門含めて全社で選べるようにしている。(豊田鉄工株式会社:従業員規模1,001人以上)

働き方改革

  • 専任組織「働き方改革チーム」を発足し、多様で柔軟な働き方を推進。在宅勤務やシェアオフィス等の施策の全社展開を実施し、業務の効率化に取り組んでいる。
    制度においても、従来は短時間勤務制度の取得事由は育児・介護のみであったが、上司が認めた内容も含めて広く適用できるようにしている。なお、育児のための短時間勤務は小学校3年生までとするなど、法定以上の制度を整備している。(日本特殊陶業株式会社:従業員規模1,001人以上)

パート従業員も含めた育児休業の取得促進

  • パート従業員も育児休業が取得できるよう配慮しており、育児休業を取得して半年~1年程度で復職するパート従業員も多い。(ペアコム株式会社:従業員規模100人以下)

宅配ロッカーの設置による買い物サポート

  • 福利厚生の一環で社内に宅配ロッカーを設置している。出勤前や休憩中にイオンネットで買い物をしたものがロッカーに届き、仕事帰りに荷物を受け取って帰宅することができる。女性社員だけでなく、男性社員も利用している。(アルプススチール株式会社:従業員規模101人~300人)

ポイント

  • 男性の育児休業取得率は女性に比べて低い現状にあり、育児休業の取得を希望している男性社員が、不安を抱えている可能性も考えられます。
  • 育児休業制度について従業員に周知を図るほか、上司等も含めた職場の理解をすすめることで、男性も安心して取得できる環境整備に取り組むことが重要です。

事例

男性の育児休業の取得促進に向けた働きかけ・周知啓発

  • 男性の育児休業取得促進に取り組んでおり、男女とも育児休業取得率は100%を達成している。人にもよるが、男性の取得期間は概ね1週間程度の期間が多い。(株式会社九州タブチ:従業員規模101人~300人)
  • 2022年4月の法改正以前から、育児休業制度の対象となる男性本人や職場の上司に人事から個別に声がけを行い、制度の紹介を行っている。職場の理解も得られ、男性役職者において半年程度取得する例も出てきた。取得者が出てきたことで、社内への制度の周知・浸透が図られている。法改正に伴い上記を仕組み化し、また社内教育を通じて、更なる制度の周知・徹底を進める。(豊田鉄工株式会社:従業員規模1,001人以上)

ポイント

  • テレワークとは、ICTを活用し時間や場所を有効に活用できる働き方、フレックスタイムとは一定の範囲内で労働者が日々の始業時間、終業時間や労働時間を自ら決めることができる制度のことをいいます。
  • 制度の導入が難しい部門もありますが、ソフトウェア・ハードウェアの整備や業務の見直しを進めることで、柔軟な働き方にマッチする業務を切り出してみましょう。

事例

テレワークの推進

  • コロナ禍の影響もあり、技術・事務部門で在宅勤務制度を開始。在宅勤務時は、一時離業(中抜け)を認めており、休憩時間を多めにすることで、育児等のため仕事を途中で一時的に抜けることが可能としている。これを上司報告で利用できるなど、使いやすさにも配慮している。(豊田鉄工株式会社:従業員規模1,001人以上)
  • 事務部門ではリモートワークも推進している。設計部門では専用のソフトウェアを活用しているためリモート化が進みにくいが、希望する従業員は優先的にリモートワークができるよう対応している。PC上でできる業務をベースにした仕事の切り出しや、リモートワーク可能なソフトウェア、ハードウェアの導入を進めている。(株式会社ヒロテック:従業員規模1,001人以上)

ポイント

  • 従業員が安心して産前・産後休業や育児休業を利用し、職場復帰するためには、人事労務担当者だけでなく職場の上司のフォローも重要です。
  • 両立支援制度の周知だけではなく、復帰後のキャリアを見据えた働き方や仕事の進め方について本人のみならず、職場の上司にも情報提供を行うとよいでしょう。

事例

産前・産後休業や育児休業の前後のフォローも含めた支援

  • 産前・産後休業や育児休業に入りやすいよう、休職に入る前に上司を含めて個別面談を実施している。復帰時の時短勤務制度や、保育料の一部負担等についても情報提供し、復帰しやすい環境づくりに取り組んでいる。(株式会社テルミック:従業員規模101人~300人)
  • 育児休業中にオンラインで受講できる研修を案内している。育児を大事にしつつ、復職後のキャリア形成についても意識できるようにサポートしている。(株式会社FTS:従業員規模1,001人以上)

育児休業中の従業員の交流会(パパ・ママ会の開催)

  • 育児休業からの復職のハードルを下げるため、復帰前に会社内を一部開放し、「パパ・ママ会」という名前で、会社の近況説明等を行っている。夫婦で参加を希望する従業員もいる。コロナ禍ではオンラインで開催した。(春日井製菓株式会社:従業員規模301人~1,000人)

育児休業経験者の「ケーススタディ」の共有

  • 育児休業経験者には自身の「ケーススタディ」を記入してもらい、社内で共有している。出産予定の従業員に、育児休業から復職した後の働き方等について、参考にしてもらうことを目的としている。(従業員規模100人以下)

企業内保育所の設置

  • 企業内に保育所を設立している。(従業員規模100人以下)

ポイント

  • 両立支援制度をうまく使えるか分からない従業員がいる場合もあります。生産部門の交替制勤務者も参加できる説明会等を開くことで、情報提供を進めましょう。

事例

製造現場における子育て制度等の説明会

  • 交替制勤務者が多く、子育て世代も多い中、両立支援制度をよく知らない従業員も多いと考え、性別を問わず、製造現場の従業員向けに制度の説明会を開催した。半日休暇や2時間休暇について全員で理解し、助け合いながら、お互いが使えるように工夫が行われるようになった。(日本特殊陶業株式会社:従業員規模1,001人以上)

ポイント

  • 緊急事態への対応体制整備や業務の標準化等を進めることで、従業員が安心して休息を取ることができ、夜間の緊急対応等を防ぐことができます。

事例

トラブルの未然防止

  • トラブルが起きてからでなく、トラブルが起きないように未然防止に取り組んでいる。不具合が起きた際は、管理職だけでなく、業務内容を理解している複数名の従業員が対応に当たるようオーバーラップさせることで、必ず誰かが対応できるような体制としている。(日本特殊陶業株式会社:従業員規模1,001人以上)

業務の属人化から標準化へ

  • 仕事が属人的にならないよう業務の標準化を推進し、女性が夜間に緊急対応することがないような配慮をしている。(従業員規模100人以下)

ポイント

  • 管理職の業務負担が大きく、仕事と家庭との両立が難しいことが、管理職への女性の登用にあたり障壁になっていることがあります。
  • 職場で休暇取得や早帰りを促進する際には、管理職も含めて、職場全体で取り組むという意識の醸成が重要です。

事例

職場長同士での声がけにより、管理職も早く帰る習慣づくり

  • 以前は、管理職は「朝早くて夜遅いことが美徳」となっていたが、今は職場長同士で声がけをしている。周囲が早く帰ることをほめることで、管理職も早く帰るような習慣ができている。(春日井製菓株式会社:従業員規模301人~1,000人)

管理職から率先しての年次有給休暇取得や早帰り促進

  • 管理職は朝早く出社し、一番遅く帰るというイメージが強いため、女性が自分にはできないのではないかという意識を持ってしまいがちである。そこで、管理職が率先して年次有給休暇を取得したり、部下に任せて早く帰る取組を促進している。
    管理職は最後に鍵を閉めて帰ることが常習化していたが、他に任せられる人がいれば、役職者から先に帰るようにするなど、制度を変えなくてもできることから取り組んでいる。また、社長からも責任者会議等で、管理職から意識を変えてもらうよう発信している。(名工銘鈑株式会社:従業員規模101人~300人)

管理職に対するサポート体制の強化

  • 部門長は責任が重く、仕事と家庭の両立が難しいという現状がある。部門の体制を整え、管理職の上にもその管理職をサポートする人を登用していくことにより、管理職が仕事と家庭を両立できるよう支援している。(従業員規模100人以下)
  • 管理職に対するネガティブイメージを払拭するために、現職の管理職と面談等を行い、イメージを変えることに加え、ジョブシェアリングを加速・推進させるなど、管理職に対するサポート体制を強化している。(従業員規模100人以下)

環境整備・業務効率化に関する取組

ポイント

  • 生産部門では、力が弱い従業員にとって重いものや大きな製品を取り扱う負担が大きかったり、使用している工具等が使いにくいことがあります。
  • 機械・設備等のユニバーサル化を図ることによって、女性だけではなく高齢者や男性も含め、誰にとっても作業しやすい環境を整えることにつながります。

事例

機械・設備等のユニバーサル化

  • 工場では設備の段取替作業時に強固に固定されたボルトを緩めたり、本締めしたりする作業があり、大きな力を必要とするため、女性の意見も聞きながら、柄の長い工具を使い、小さな力でボルトを回せるようにしたり、重量物の移動には電動リフトを導入したりするなど、機械・設備等の改善を図っている。ねじの金型についても、NC工作機械を導入し、加工をしやすくした。(興津螺旋株式会社:従業員規模100人以下)
  • 生産現場は男性が多く、治具、工具のサイズが女性には合わなかったり、重量物を持ち上げる際に苦労があることから、ドラムリフタを導入する他、女性も使いやすい治具、工具への改良に取り組んでいる。(株式会社大川原製作所:従業員規模101人~300人)
  • 男性が中心であった設備において、カバーの軽量化・高さの調節、ホース着台作業の簡素化を図るとともに、数値化することで長年の勘とコツに頼らず誰でも操作可能な装置を導入した。作業負担の軽減を図る装置等は、従業員の年齢が高くなる中でシニアにも好評で、ユニバーサルな設備となっている。(日本特殊陶業株式会社:従業員規模1,001人以上)
  • 生産工程を新規に検討する際には、女性の意見を取り入れる様にしている。男性が作業する場合でも、女性にとって負荷の少ない作業工程にしておくことで、誰にとっても負荷の少ない作業となる。(株式会社FTS:従業員規模1,001人以上)
  • 重量物など力が必要となる作業の負担を軽減するため、移動式電動昇降機を導入した。(従業員規模301人〜1,000人)

生産現場における重労働の改善、製造ラインの改善

  • 従来はラインに従事するのが男性メインであったため、体格差や体力の違いがあっても従事できるよう重量の軽量化を図ったり、作業台の高さを低くするなど、工程の見直しを行っている。また、短時間勤務者も対応できるようなライン編成を工夫しながら進めている。(株式会社アイシン:従業員規模1,001人以上)
  • 「持続可能な製造現場」という観点から、誰もが働きやすい工場づくりを目指すことを方針としている。重筋作業は極力減らしていくことを全社の方針としており、設備の工夫や自動化等によって全工場で取組を進めている。(カゴメ株式会社:従業員規模1,001人以上)
  • 製造現場においてどうすれば重量物を持たなくて済むか考え、ハンドリフトをやめ、スライドして押すことに変更した。当初は現場から強い反発があがることもあったが、女性の管理職がスライド押しの効果を数字で示し、現場を説得し実績をあげている。(株式会社スギテクノ:従業員規模100人以下)
  • 原料が入っているドラム缶は非常に重たいため、移動させるのがとても大変。女性リーダーが中心となって原料を搬送するラインを改良。身体的な負荷が大きく軽減され、この取組は社内でも表彰された。(カゴメ株式会社:従業員規模1,001人以上)
  • 工場では立ち作業が多いため、工程の作業効率化や、足元にクッションマットを敷くなどによって、体力的な負担の軽減に努めている。(従業員規模100人以下)

女性や高齢者等の作業場所の見直し

  • 2階建ての工場で、以前は1階に大きな設備を設置し、2階に細かな作業ができる部屋や成型等の少人数で行う作業スペースを設置していたが、移動が大変であった。そこで製造現場の環境整備として1階に女性や高齢者が作業する場を設けることで、負担軽減を図った。(株式会社FTS:従業員規模1,001人以上)

工場における環境改善の取組の共有

  • 年1回「強い現場づくり」という発表会を開いて、各工場の取組を全社にむけて共有している。工場現場で働く一人ひとりが、生産性の向上や職場環境の改善に取り組もうというモチベーションや励みになっている。(カゴメ株式会社:従業員規模1,001人以上)

ポイント

  • 従来女性が少なかった部門では、職場に女性専用のトイレやロッカールーム等が整備されておらず、女性が働きにくい環境になっている場合があります。
  • 施設面の整備にあたっては、女性従業員から意見を聞き、ニーズを把握しながら進めるとよいでしょう。

事例

女性の意見を取り入れた職場の改装

  • 女性の意見を取り入れ、デザイン性の高い職場に改装している。1階ロビーから着手し、2階、3階と、心地の良いミーティングスペースを充実させている。(株式会社FTS:従業員規模1,001人以上)

女性専用トイレの増設

  • 女性従業員の増加に伴って、女性専用トイレを各所に増設している。女性だけでなく、障がい者も使える誰でもトイレも設置している。また、以前は全て和式だったが、約半数を洋式に変更した。(株式会社FTS:従業員規模1,001人以上)

女性専用休憩室の増設

  • 女性が働きやすいよう、女性専用休憩室の増設や既存の休憩室の改修を行った。(従業員規模100人以下)

女性更衣室の改修

  • 女性更衣室を使いやすくするため、改修を行った。(従業員規模100人以下)

制服の見直し

  • 一般職(事務)の女性も検査等工場での業務に携わる場合があるため、制服だと動きにくいという声を受けて、作業着の配布をはじめた。(株式会社大川原製作所:従業員規模101人~300人)

ポイント

  • 従業員が安心して夜勤等に従事できるようにするため、防犯面の安全性を確保することが重要です。

事例

女性向けの夜勤用駐車場の設置

  • 従業員駐車場から仕事場に移動する際の安全確保に取り組んでいる。暗い道を通らなくて良いよう、女性向けの夜勤用駐車場を現場の近くに設けたり、男性が車まで付き添う等の配慮を行っている。(株式会社FTS:従業員規模1,001人以上)
  • 2直勤務の女性向けに、工場近くに駐車場を設置している。立体駐車場の場合は1階、工場の敷地内にある場合は敷地内の近い場所等に配置している。(豊田鉄工株式会社:従業員規模1,001人以上)

2直勤務での複数名の配置

  • 2直勤務に女性を配置する際は、1人ではなく、複数名の女性を配置するよう配慮している。(豊田鉄工株式会社:従業員規模1,001人以上)

ポイント

  • 社内のICT化を進めることで、業務効率化や労働時間の削減につながり、生産性の向上に期待ができます。
  • 効率化できた時間は、従業員のワーク・ライフ・バランスの実現や、自身のキャリア形成に資するスキル習得等に向けて、自己啓発を行うことを促すことも考えられるでしょう。

事例

製造現場へのビデオカメラの導入による点検時間の削減

  • 製造現場で、完成品を1品ずつ写真撮影することで、不具合があった際に納品物の確認を全てデータ上で実施できるようになり、点検時間の大幅な削減につながった。また、ビデオカメラで組立作業の様子を記録し、不良品が発生した当時の職場の状況を動画で確認できるようにすることで、原因の特定及び改善につながっている。(ペアコム株式会社:従業員規模100人以下)

ICT化による管理職の労働時間の削減

  • RPAの導入やスマートファクトリー等、各工程・部門においてICT化を推進している。労働時間の短縮にもつながっており、管理職になるための経験を積む時間に当てることもできるようになった。従来は管理職の働きぶりを見て、管理職になりたくないと考える従業員も少なくなかったが、ICTの導入や自動化により、業務の効率化が図れ、管理職を目指す人も増えている。(日本特殊陶業株式会社:従業員規模1,001人以上)

自動機の導入

  • 各部門に自動機を導入することで作業工数や手作業を削減し、かつ誰でも同様のアウトプットが出せる仕組みを構築した。(日本特殊陶業株式会社:従業員規模1,001人以上)

ICT技術の活用による作業の効率化

  • 加工についてはコンピュータ制御の設備を導入し、機械をコントロールするプログラムについて、事務所でも作成できる環境を整えた。ICT技術を活用し、作業の効率化を図るとともに、時間の融通が利く職場づくりに取り組んでいる。(コクネ製作株式会社:従業員規模100人以下)

ポイント

  • 会議時間の見直しや生産部門における作業工程を見直すことで、全社的な労働時間の削減に取り組みましょう。

事例

会議の効率化や業務の見直し

  • 社内の女性活躍推進に関するプロジェクトチーム(OKWoMen)を中心に、会議時間や残業の削減を提案し、役員も積極的に関わりながら取組を推進している。例えば、従業員の残業時間を社内会議で共有して労働時間削減に向けた意識啓発を行ったり、会議時間の削減状況について社内の調査を行い、その結果を踏まえて業務改善(効率化・削減)に取り組んでいる。(株式会社大川原製作所:従業員規模101人~300人)

作業工程の見直し

  • 一日当たり30分の労働時間削減と、年次有給休暇の年10日取得を掲げて自主研究活動を実施した。モニタリング設備を使って製品1個あたりの組立工数を1日かけて計測し、従業員間の作業時間のばらつきを調査。作業が早い人がなぜ早くできるか検討し、時間がかかる要因となっていた点を徹底的に改善したことによって、組立時間が大幅に削減された。(株式会社九州タブチ:従業員規模101人~300人)

無駄な作業の精査・削減

  • 技術・事務部門において、5か年計画で残業時間削減に取り組んでおり、以前は平均月40時間であったところ、月35時間まで削減することに成功した。自工程完結の考え方を技術・事務部門でも実行しようと取り組む中で、各業務の内容を細分化し、またそれぞれの業務の目的・目標は何かを明確化したことで、必要な仕事と不要な仕事を精査し、目的に合わない作業を減らすことで工数低減。今後も総労働時間2,100時間未満達成へ向け、活動継続。(豊田鉄工株式会社:従業員規模1,001人以上)

製造現場の人員配置の見直し

  • 生産部門において、1人の月あたりの残業時間が20~30時間となるよう、人員面の調整を行い、過重労働を防止している。(豊田鉄工株式会社:従業員規模1,001人以上)

リモート化に伴う会議の見直し

  • 感染予防の観点からリモート会議がメインとなったことで、会議時間が短くなり、本当に必要な人のみ出席するようになるなど、管理職、従業員ともに残業時間の削減につながっている。(エイベックス株式会社:従業員規模301人~1,000人)

社内アンケートを通じたコミュニケーション状況の把握

  • 従業員への「コミュニケーションアンケート」で、各部署の状態を把握したところ、従業員間のコミュニケーションの状況が悪い部署ほど残業が多い傾向にあることがわかった。対象部門には総務人事によるヒアリング・面談を行い、管理職へは適切な研修の受講を促している。また、ヒアリング内容を受け、組織変更や人事ローテーション等の対応をしている。(株式会社大川原製作所:従業員規模101人~300人)

トップの働きかけによる従業員の意識改革

  • トップから従業員に対して業務のメリハリをつけることや、その必要性について、繰り返しメッセージを発信している。早く帰る管理職をほめることなどによって、従業員の意識が変わってきている。(エイベックス株式会社:従業員規模301人~1,000人)

ポイント

  • 管理業務の負担改善にあたっては、管理業務を洗い出し、他の従業員が分担できるものがないか検討することが有効です。
  • 管理職の業務を部下に任せることは、管理職の負担軽減だけではなく、部下がマネジメント経験を積むことで、ひいては本人の成長やキャリア形成につながることもあります。

事例

グループ長業務をグループ内で分担

  • グループ長が仕事と家庭の両立ができるように、その業務内容について見直しを行い、グループ内で分担している。時差出勤や短時間勤務を行う職員にも臨機応変に対応している。(コクネ製作株式会社:従業員規模100人以下)

管理職の負担軽減に向けた人員配置・業務分担の調整

  • 管理職の長時間労働の削減や負担軽減のため、管理職もできるだけ定時で業務が終えられるよう、パートタイマーを含めて人員配置・業務分担を調整した。(従業員規模100人以下)

意識啓発に関する取組

ポイント

  • 様々な取組の検討にあたって、従業員の声を聴くことでそれぞれの立場からみた視点への気付きや、必要な対策のヒント等が期待できます。
  • 女性活躍に向けた取組を検討する際には、女性以外にとって他人事にならないよう、男性の意見も聴くようにしましょう。

事例

従業員アンケートをもとに女性活躍に向けた取組を検討

  • 女性活躍や管理職登用に関する従業員アンケートを実施し、調査結果をもとに、女性活躍について検討するプロジェクトチームが中心となって必要な取組を検討した。アンケートの回収率を高めるため、タイムカードの横に投函ポストを設置するなどの工夫を行った。(名工銘鈑株式会社:従業員規模101人~300人)

従業員の声に耳を傾け、積極的に意見を収集

  • 制度を導入しても、従業員が遠慮して十分活用されない状況がある。従業員の声に耳を傾けて対応策を講じることを繰り返し行い、制度の浸透を図ってきた。部署別のヒアリングやアンケートを通じて意見を言う機会を多く設けており、自分たちが会社を変えるという意識の醸成や、「どうすればよいか?」考えることを促している。
    また、育児休業中や時短勤務者を支えている人の声・不満を聞いて対応することも大事である。そのような取組の積み重ねによって、ライフイベントはお互い様という意識が、社内で共有されるようになってきた。(春日井製菓株式会社:従業員規模301人~1,000人)

ポイント

  • 女性活躍推進において、経営陣やトップの継続的なコミットメントが重要です。女性活躍推進法に基づく行動計画への位置付け等を通じて、自社の方針を社内外へ周知・公表しましょう。
  • 愛知県では、組織トップからのメッセージや今後の取組内容等を表明する「女性の活躍促進宣言」を募集しており、各企業の宣言内容を県Webページに掲載し、PRすることができます。
  • 策定した方針を従業員に周知し、継続的な発信を行うことで社内の意識改革につながります。方針だけでなく、なぜ自社に女性活躍が必要なのか、取組の目的・狙いと併せて伝えるようにしましょう。

事例

トップメッセージの発信

  • 社長から、幹部会、委員会、個人面談など機会あるごとに女性活躍や女性の管理職へのチャレンジについて呼びかけている。社長から女性職員に社外研修の参加を勧めており、「私でいいんですか」「無理です」という反応も結構あるが、後日もう1度、声をかけると「実は迷っていました」と参加を承諾する社員もいて、それぞれの反応を見ながら声かけをしている。(アルプススチール株式会社:従業員規模101人~300人)
  • トップ自ら、社内に向けて社内報等を通じて「女性活躍が、経営革新と風土改革を導く」というメッセージを発信している。女性活躍はダイバーシティ(多様な視点)推進の象徴であるが、女性だけにフォーカスをしているわけではなく「女性が働きやすい会社は、男性にとっても働きやすい」という視点から取り組んでいることもあわせて伝えている。(カゴメ株式会社:従業員規模1,001人以上)
  • 社長自らの言葉で、ダイバーシティ&インクルージョンの必要性を全社に発信。トップメッセージを踏まえ、全員参加の職場ミーティングにて、現状の職場の課題や対応について議論することで、ダイバーシティ&インクルージョンの自分事化を図っている。(株式会社アイシン:従業員規模1,001人以上)

行動計画への位置付けを通じた段階的な取組の推進

  • 女性活躍推進法に基づく行動計画において、新卒採用における女性の増加を位置付け、積極的な採用を推進した。採用が一定程度進んだことから、今期計画では理系の女性の採用や男性の両立支援等を盛り込み、計画に位置付けながら段階的に取組を推進している。(株式会社ヒロテック:従業員規模1,001人以上)

ポイント

  • 女性活躍やダイバーシティ推進の取組は、現場での実践が不可欠なため、自社にとってなぜ必要なのか、従業員一人ひとりが理解を深めるため、様々な機会を捉えて周知・啓発を行うことが重要です。
  • 各部門で自発的に取組を進められるよう支援することで、継続的・全社的な取組へつなげることができます。

事例

フォーラムの開催

  • ダイバーシティ推進に関する従業員の理解や知見を深めることを目的として、社外から有識者・専門家を招いて毎年全社的なフォーラムを開催している。主なプログラムは、外部講師の講演とトップとのディスカッションである。これまでに、アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)、働き方の改革、性的指向と性同一性の多様性等のテーマで開催。2021年は、ダイバーシティを活かす風土づくりをテーマとして、「心理的安全性」の大切さについて考えた。(カゴメ株式会社:従業員規模1,001人以上)

ジェンダーバイアスに関する社内の事例集作成

  • 社内の女性活躍推進に関するプロジェクトチームのメンバーが中心となり、ジェンダーバイアス(男女の役割について固定的な観念を持つこと)に関する世の中の流れを整理するとともに、社内におけるジェンダーバイアスの実態を把握し、事例集を作成した。作成後は社内に周知することで、社内の意識改革に取り組んだ。(株式会社FTS:従業員規模1,001人以上)

各部門における自発的な女性活躍アクションプランの策定・実践及び表彰

  • 各部門において女性活躍に関するアクションプランを策定・実践し、特に優れた取組については表彰している。また、全社の取組を冊子にとりまとめて配布・周知することで、従業員の意識改革につなげている。(日本特殊陶業株式会社:従業員規模1,001人以上)

女性活躍・ダイバーシティ推進に係る表彰等を通じた社内の意識改革

  • 「新・ダイバーシティ100選」を取得したことによって行政のお墨付きが得られた。社内で女性活躍推進に向けて取組を展開する際にも、役員への説得等、社内の取組の後押しになった。(株式会社大川原製作所:従業員規模101人~300人)

女性活躍からダイバーシティへ

  • 約10年前にトップの指示で「女性活躍推進」に取り組み始めたが、取組が一定程度進み、現在は「ダイバーシティ推進」という言葉に切り替え、誰にでも同じようにチャンスがあるというメッセージを打ち出している。(春日井製菓株式会社:従業員規模301人~1,000人)

ポイント

  • 女性が少ない企業においては、同僚となる男性や管理職に向けた意識啓発を行うことが効果的です。
  • 研修やセミナー等を通じ、管理職に求められる役割について理解を深めるとともに、女性活躍を推進するために必要なマネジメントスキル等が習得できるよう、現場の管理職を支援することが重要です。

事例

管理職向け講演会の実施

  • 管理職向けに、先進的な取組事例やダイバーシティの最前線をテーマにした講演や幹部による討論会、パネルディスカッションを行い、管理職(主任クラス含む)のダイバーシティに対する意識を高めている。(日本特殊陶業株式会社:従業員規模1,001人以上)

管理職向けイクボスセミナーの実施

  • 管理職向けに、部下のワーク・ライフバランスとキャリア形成を支援するという役割の理解や、そのためのマネジメントスキルの習得を目的として「イクボスセミナー」を実施した。管理職には、「女性だから」という枕詞を使わないよう周知徹底している。セミナーでは、男性管理職が自身のどこが弱点なのか分析してもらった。(株式会社FTS:従業員規模1,001人以上)

女性の部下がいる男性管理職向けの研修

  • 女性の部下がいる男性管理職を対象として、男女平等意識の醸成や、キャリア形成を支援するための具体的なサポートの方法、メンタル面の支援等についての研修を実施している。(従業員規模1,001人以上)

管理職の業務の見直し

  • 新任管理職を対象にした研修で、管理職が部下に仕事を任せる重要性について意識付けを行っている。「自分で仕事をした方が早く、部下に仕事を任せられない」という管理職もいるが、部下の業務経験にとっては機会損失ともいえるということを伝えている。(株式会社アイセロ:従業員規模301人~1,000人)

管理職による部下のキャリア形成支援の強化

  • 管理職研修の内容を見直し、多様性の理解や部下のキャリア形成支援教育等について理解を深め、管理職による部下のキャリア形成支援の強化を図っている。(従業員規模1,001人以上)

ポイント

  • 生産部門では「女性は現場には向いていない」という先入観や、思い込みがあることがあります。
  • トップとなる工場長から意識改革を進めていくことも一つの方法です。

事例

工場長向けダイバーシティ研修の開催

  • まずは工場長が、ダイバーシティ推進に取り組む意義を我が事化し、工場の従業員にしっかり話ができるよう、アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)等について理解を深めるための研修を、生産部門で独自に実施している。(カゴメ株式会社:従業員規模1,001人以上)

工場長を巻き込んだ意識改革・風土変革

  • 全工場長に、技能職場における女性活躍推進の課題をヒアリングする機会を設けている。取組を推進するためには現場の工場長を巻き込むことが不可欠と考え、技能職場で働く女性社員から直接課題を工場長に共有する場を設定している。(株式会社アイシン:従業員規模1,001人以上)

ポイント

  • 管理職になることに自信が持てなかったり、不安を抱えている従業員に対して、先輩や役員がキャリアについての悩み等を聞き、アドバイス・助言することが効果的な場合があります。
  • 直属の上司には打ち明けにくい悩みがあることも考えられるため、メンター候補者は複数確保し、本人の希望も踏まえて決めるとよいでしょう。

事例

メンターに相談できる体制の整備

  • 先輩社員に相談できる「キャリアメンター制度」を導入している。女性管理職向けには、各本部の部長クラスがメンターとなり、一般資格者向けには、女性管理職がメンターとなり、相談したいときに相談できる体制を整えている。また、メンターと気軽にコミュニケーションが取れる交流会も実施している。(株式会社アイシン:従業員規模1,001人以上)

新任女性課長を対象としたアドバイザープログラム

  • 新任女性課長を対象に役員が各々アドバイザーに就き、月1回個別面談を行っている。役員はほとんどが男性である。アドバイザーは、新任女性課長による指名制(複数候補を挙げて人事でマッチング、ただし直属の上長は対象外)としている。新任管理職のマインド面での支えを担ってもらうことが狙いである。(カゴメ株式会社:従業員規模1,001人以上)

女性の新卒者を対象としたメンター制度

  • 女性管理職育成に向けた取組として、2020年度より女性の新卒者を対象にメンター制度を実施している。新卒者に対して管理職候補の女性がメンターとなり、日常的なコミュニケーションを図る中で、相談に乗ったりアドバイスをしたりしている。(株式会社九州タブチ:従業員規模101人~300人)

選抜型の女性管理職登用研修

  • 経営層がメンターとなり、女性管理職候補者に経営的な視座や経験等を伝えるようにしている。対象者の選抜に際しては、自発的に手を挙げる人は少ないため、人事から対象者層に対してヒアリング等をしながら声がけを行っている。(日本特殊陶業株式会社:従業員規模1,001人以上)

ポイント

  • 社内の女性同士の交流の場を設け、同性の先輩の声を聞く機会を設けることは、キャリア形成に対する意識付けを行ううえで有効と考えられます。
  • また、社内に女性が少ない場合、ロールモデルが少なく、自身が管理職となるイメージが湧きにくい場合があります。その場合は、社外のネットワークを活用することも考えられます。

事例

社内における女性のロールモデルづくり

  • まずは一人でもいいので、やる気がある女性を登用し、そこからその女性管理職に続く人材を育て、社内のロールモデルを増やしている。(従業員規模100人以下)

先輩社員との座談会

  • 女性は、自部署にロールモデルとなる同性の先輩社員がいないというケースがほとんどであるため、女性活躍研修のカリキュラムに「先輩社員との座談会」を加え、他部署の女性先輩社員から実際の働く様子を伝えたり、意見交換する場を設けた。(従業員規模1,001人以上)

社外人材コンサルティングを依頼(ロールモデルとなってもらう)

  • 社内セミナーの講師を担っていただいた外部の方に、コンサルティングを依頼。その一環として、女性従業員のロールモデルとなってもらった。社外の方だが、社内と変わらないような立ち位置で、女性従業員に接してもらっている。社内からの助言には反発することもあっても、社外コンサルタントの話は素直に聞いてくれるという効果もあった。(株式会社FTS:従業員規模1,001人以上)

社外のセミナー受講

  • 女性従業員に対する意識啓発の一環として、社外の合同セミナーや研修等の受講を促し、他社における女性の働き方を知るきっかけを作っている。(株式会社大川原製作所:従業員規模101人~300人)

他社との交流によるロールモデルづくり

  • 社内のロールモデルだけでなく、他社交流会を行って新たな知見をえている。周辺に立地している企業から参加者を募集して、研修とディスカッションを行っている。技術職における女性の管理職等をテーマにしたこともある。(日本特殊陶業株式会社:従業員規模1,001人以上)

多様なリーダー像の提示を通じた意識啓発

  • リーダー育成セミナーにおいて、目指すリーダー像は1つでなく、多様であることを伝えている。1つのリーダー像では、そのモデルに合わなければ、自分はできないと思いがちになる。複数のタイプのリーダーとの対話を重視し、それぞれが自分に合ったタイプを見つけていくことができる機会を設けている。(名古屋工業大学)

職域拡大・キャリア開発に関する取組

ポイント

  • 職場ローテーションの目的として、①若手社員の適性を把握しキャリア形成につなげること、②管理職育成の一環として他部署の業務理解につなげること等が挙げられます。
  • 女性や文系出身者であっても、生産部門の業務に関心を持つ従業員もいます。社内の様々な部門において実際の業務を担当する機会を設けることで、本人の適性や希望を踏まえたキャリア形成支援につなげることが可能です。

事例

新入社員に対する職場実習の実施

  • ものづくりの全体像を理解できるよう、新入社員全員に対して設計や生産現場を含む職場ローテーション(職場実習)を実施している。実際の業務を経験し、技術部門に配属できる従業員がいた場合は、文理・性別に関わらず積極的に配属している。(株式会社ヒロテック:従業員規模1,001人以上)
  • 新入社員には社内外で約3か月間の研修・実習を行い、本人の適性や意欲を踏まえて配属先を決定している。本人の希望で製造現場に配属され、夜勤を担当する女性職員もいる。(コクネ製作株式会社:従業員規模100人以下)
  • 事務職希望の女性であっても、入社後に心変わりする人も多く、生産ラインを含めて一通りの業務を入社後の職場実習で体験してもらっている。実習期間は約2か月で、事務部門、製造部門、検査等の各部署を概ね一週間ごとに回っていく。一つの部署で、2~3回実習することもある。(興津螺旋株式会社:従業員規模100人以下)

ジョブローテーションによる幅広い業務経験の付与

  • 総合職採用の従業員は、文系・理系関係なく技術職でも活躍してもらっている。キャリアデザインやチャレンジテーマを基にジョブローテーションを行い、様々な業務の経験を積んでもらい、本人の希望するタイミングでキャリアの方向性を判断してもらっている。(株式会社FTS:従業員規模1,001人以上)
  • 関連分野内での異動で専門性を深めたり、異なる分野間での異動でマルチなスキルを身に着けるため、管理職になるまでに最低3部署経験するジョブローテーション制度を運用。個人のキャリアプランを上司・本人で話し合い、ローテーションを検討・調整する。(豊田鉄工株式会社:従業員規模1,001人以上)
  • 管理職としてジェネラリストを育成するために、ジョブローテーションを実施している。育児等のライフプランに配慮するとともに、自身のキャリアを早い段階から考えられるよう、計画的にジョブローテーションを実施している。(日本特殊陶業株式会社:従業員規模1,001人以上)
  • 管理職昇格までに、2部署(室・課含む)以上の異動を経験するローテーション制度を導入している。(従業員規模1,001人以上)

ポイント

  • 職域拡大の一環として、短期間他部署の業務経験を積むことができる社内インターンシップを採用している企業もあります。
  • 異動や出向等とは異なり、あくまでも短期間の「お試し」であるため、送り出す部署・受け入れる部署の負担を抑えつつ、従業員のキャリア開発を行うことができます。

事例

社内留学

  • 社内留学制度を導入。従業員は職場の上司を通さずに、直接人事に希望を伝えることができ、希望が出れば所属している職場から一定期間送り出す仕組みになっている。
    基本的には、他部署の業務を知り、現部署に持ち帰ることが目的で、年間20件を超える社内留学が行われている。留学を機に実際の部署異動につながり、退職を考えていた従業員が離職を思いとどまったというケースも過去にあった。(春日井製菓株式会社:従業員規模301人~1,000人)

社内インターンシップ

  • 次世代リーダー候補を対象に、社内インターンシップを企画している。一人当たり年間40時間程度、希望する部署で実際の業務経験を積むことができる制度で、他部の業務に対する理解を深めてもらうことを目的としている。(株式会社九州タブチ:従業員規模101人~300人)
  • コミュニケーション活性化の施策の一つとして、他部門の業務を体験できる「社内インターンシップ」を実施。開発業務に従事する社員が溶接の体験をしたり、技術職が経理業務を体験する等した。短期のインターンシップを通じ、他部門の業務理解が進むと同時に、他部への横の繋がりができ、業務が円滑に進むというメリットがあった。(株式会社大川原製作所:従業員規模101人~300人)

ポイント

  • 生産部門において、女性のみのラインを設置したり、女性のみのチームを組成している企業もあります。女性の能力発揮を促すとともに、従来とは異なった視点による改善点の発見等もみられます。

事例

女性のみの鋳物グループの活躍

  • 鋳物の模型の検査・組立・仕上げ・塗装を行う業務について、全員が女性のグループがある。重い木型でなく発泡スチロールを利用しており、きめ細やかさや繊細な仕上げが求められる。(コクネ製作株式会社:従業員規模100人以下)

女性専用ラインの設置

  • 小型の製品を扱う工場において、女性専門ラインを設けており、ラインの班長や職長に女性が就いている。(株式会社ヒロテック:従業員規模1,001人以上)

夜勤体制を女性管理職が構築

  • 現場を熟知している女性管理職が、夜勤体制を0から立ち上げている。(株式会社スギテクノ:従業員規模100人以下)

ポイント

  • 事務職から技術職等、職種変更を可能とする制度を設けることで、本人の適性や関心に応じた活躍が可能となります。
  • 男性が多い部門や女性が多い部門等の性別による配属の偏りをなくしていくことも、性別に関わらず従業員の能力発揮を促すうえで、重要な視点です。

事例

一般事務職から事技職への職種変更制度

  • 一般事務職で入社した社員がキャリア志向の変化により事技職(総合職)への職種変更を希望する際は、面接・評価を経て職種変更が可能。職種変更した先輩との交流会も開催し、職種変更後の不安払拭に繋げている。(株式会社アイシン:従業員規模1,001人以上)

事務職から技術職への職種変更

  • 一般職(事務)から総合職(技術)への職種転換を可能としており、実際に事務職から技術職へ転換した従業員も複数名いる。ある女性は一般職から設計業務へ職務転換をし、開発業務に携わっている。(株式会社大川原製作所:従業員規模101人~300人)

職種転換

  • 技能→技術・事務総合職、事務一般職→事務総合職への職種転換できる制度。直近の成績、筆記試験、問題解決レポート発表、面接により決定。
    直近3年間でも事務一般職→事務総合職へ2名転換。(豊田鉄工株式会社:従業員規模1,001人以上)

男性中心の製造現場への女性の配置

  • 文系出身で事務職として採用した女性から、入社後にねじの製造に携わりたいという希望を受けて、自社で初めて女性を製造現場に配置した。女性が働きやすい環境整備とあわせて取り組んだことで、製造現場で働きたいという女性が増え、「ねじガール」として活躍している。(興津螺旋株式会社:従業員規模100人以下)

ジェンダーレスの人員配置

  • 検査部門は従来女性が多く、設備を扱う部門は男性が多かったが、これらの固定観念から脱却し、男性女性とも多能工化を進め、ジェンダーレスに配属するようにした。結果として、人員配置の自由度が増し、より働きやすい職場が実現した。(日本特殊陶業株式会社:従業員規模1,001人以上)

ポイント

  • 管理職に求められる技能・スキル等の習得に向けた研修の受講や、国家技能検定の受験支援等、様々な教育機会を性別に関わらず意欲のある従業員へ提供することは、女性活躍のみならず、全従業員のモチベーション向上にもつながります。
  • 研修等を開催する際は、育児や介護を担っている従業員でも参加しやすい時間帯に設定することも重要です。

事例

研修参加機会の公募・手挙げ制

  • 幹部候補生の育成を目的として、大学院やMBAへの派遣、1年間の語学留学、長期の教育プログラムへの参加、海外トレーニープログラム等、様々な教育機会を男女区別なく用意している。こうした選抜型の教育機会は、なるべく公募制とし、意欲のある人材が手を挙げられるようにしている。(株式会社ヒロテック:従業員規模1,001人以上)

国家技能検定の受験支援

  • 技術者向けに機械保全作業、電気系保全作業、数値制御旋盤作業、マシニングセンタ作業の4種の国家技能検定の受験を推奨している。受験するかどうかは任意だが、受験する従業員に対しては、同じ部署の先輩や上司が空き時間を活用して教えることも多く、女性も取得実績がある。(株式会社九州タブチ:従業員規模101人~300人)

資格取得の支援

  • はんだ付けやスポット溶接等、資格取得が必須なものは、資格保有者の時給を上げることでインセンティブを付与している。手先が器用な従業員にスポット溶接の資格取得を促すなど、本人の適性や得意・不得意も重視している。先輩社員が講師となって、社内で勉強会を開催することもある。(ペアコム株式会社:従業員規模100人以下)

大学やビジネススクールへの出向、外部研修等への参加

  • 男女ともにスキル向上を目指すため大学やビジネススクールへの出向、行政機関の技術取得のための研修プログラムへの参加等を促している。新入社員~入社3年目の従業員には、外部研修等への参加促進やフォローアップを重点的に行っている。(エイベックス株式会社:従業員規模301人~1,000人)

外部セミナーへの参加促進

  • 外部セミナーへの参加を強くバックアップしており、社長や管理職からのメール発信、資料配布等を行っている。従業員の興味関心に応じて、少しでも興味がある分野には、積極的に受講するよう勧めている。(名工銘鈑株式会社:従業員規模101人~300人)

ライン長向けの研修の実施

  • 管理職候補であるライン長に対して、マネジメントの手法や基本的な考え方を学び、マネジメントに対する意識の底上げを図るための研修を実施している。ライン長の半数弱が女性であり、安心して管理職になれるようなサポートの一つとして、基本的な教育を取り入れることが重要と考えている。(春日井製菓株式会社:従業員規模301人~1,000人)

階層別・職種別研修の実施

  • 階層別教育と職種別に専門教育を行う研修を、社内で実施している。また、各自が描いたキャリアデザインや方向性をもとに、人事部門から参考になりそうなセミナーをセルフスタディガイド等で案内したりもしている。(株式会社FTS:従業員規模1,001人以上)

ポイント

  • これまで女性がリーダー的な役割を担うことが少なかった場合や、女性の登用を重点的に推進したい場合、女性に特化したキャリア支援を行うことも効果的です。
  • 上司から本人に期待を伝えることにより、管理職昇進に対する自信を深め、モチベーションを高めることにもつながります。
  • なお、男女雇用機会均等法第8条に、男女間の事実上の格差を解消する目的で行う「ポジティブアクション」としての「女性のみを対象とした取組」や「女性を有利に取扱う取組」については、法に違反しない旨が明記されています。

事例

次世代リーダー自主勉強会の開催

  • 次世代リーダー自主勉強会は、将来の女性リーダーに期待されるスキル(コミュニケーション力、ネットワーク力、俯瞰力)の獲得・強化を目的として、中堅女性社員が自主的に開催している。月1回くらいのペースで、昼休憩の時間帯に開催している。(カゴメ株式会社:従業員規模1,001人以上)

製造部門の女性リーダー育成研修

  • 製造現場では従前から品質管理や安全等に関する研修は多く行われているが、キャリア形成など直接業務に関わらない研修はあまり実施できていなかった。そこで、製造部門に特化し、女性活躍支援を目的として女性リーダー育成研修を行っている。(日本特殊陶業株式会社:従業員規模1,001人以上)

女性管理職を対象とした経営に関する勉強会の開催

  • 管理職としてのマインドセットやスキルアップを目的として経営に関する勉強会も不定期で開催している。(カゴメ株式会社:従業員規模1,001人以上)

各階層別の女性育成研修の実施

  • リーダークラス、係長クラス、管理職クラスの各階層において、女性のリーダー候補者を対象とした研修を実施。どの研修も女性だけでなく、その上司と一緒に参加する形を取り、上司から本人への期待を、女性からは自身が成長したい姿を上司に伝え、双方の認識をすり合わせながらモチベーションを高めている。(日本特殊陶業株式会社:従業員規模1,001人以上)

女性管理職候補者の登録制度

  • 女性管理職候補者の登録制度を導入している。意欲がある女性社員を登録し、視野・視座拡大に繋がる役割・経験の付与等OJTを基軸に計画的な育成を促進している。(株式会社アイシン:従業員規模1,001人以上)

ポイント

  • 女性が管理職になることへの自信を十分持てていない場合、業務を通じて管理職に必要なマネジメント経験が積めるようにすることも重要です。
  • その際には、管理職の責任ややりがいを感じられる仕掛けを設けることも効果的でしょう。

事例

「小集団活動」を通じたマネジメント経験の付与

  • 各従業員が課題に感じていることをテーマにチームを編成し、自主的な研究の成果を発表する「小集団活動」を実施している。チーム編成は部署横断で年齢層も10代から60代まで幅広く、こうした活動でリーダーシップを発揮した人が係長になるケースも多く、管理職候補者に、管理職の仕事の面白さを伝える機会にもなっている。
    また、所属部署以外の従業員との交流の機会になっており、小集団活動での女性の活躍や成果をみて、女性の管理職登用を肯定的に受け止める社内の風土醸成につながっている。(株式会社九州タブチ:従業員規模101人~300人)

人材育成機会としての社内プロジェクトへの参加

  • 社内で、女性活躍推進や健康経営、障害者雇用等、合計6つのプロジェクトを立ち上げて、若手の積極的な参加を促している。実際に自分でプロジェクトを動かす経験を積むことで、責任感や仕事のやりがいを感じる仕掛けづくりをしている。(名工銘鈑株式会社:従業員規模101人~300人)

組合活動への参加等を通じたリーダーシップ経験の付与

  • 組合活動に積極的に参加してもらうことで、活動を通してリーダシップを身に付けてもらっている。(株式会社FTS:従業員規模1,001人以上)

ポイント

  • 生産部門の管理職は、工程全体について専門的な知識や経験が求められます。
  • 各工程への理解や専門的知識をつけるため、現場業務に従事することはもちろん、現場のマネジメントに求められるスキル・ノウハウ等を習得する機会を付与することも必要です。

事例

現場と営業のパイプ役の経験

  • 将来的に生産部門のグループ長として部門をまとめられるよう、現場と営業のパイプ役を務め、管理職に向けてマネジメント経験を徐々に蓄積していくよう育成している。(従業員規模100人以下)

管理業務の第一歩として検査業務に配置

  • 検査担当は工程全体を理解し状況を把握する必要があり、出荷する製品への責任感も高まるため、管理業務の第一歩として配置している。(白藤工業株式会社:従業員規模100人以下)

社内での指導経験の付与

  • 大学との共同研究に長く従事した従業員が、その技術については社内で先生役となっている。他の従業員への指導を通して、管理職にチャレンジする気持ちも高まっている。(エイベックス株式会社:従業員規模301人~1,000人)

キャリアアップや管理業務につながる業務の社内公募

  • フォークリフトの業務について、社内求人を行った。フォークリフトは単に運搬を担当するだけでなく、資材と製造現場の双方の状況を確認することが求められ、キャリアアップや管理業務につながる経験を積むことができる。(株式会社エーピーシィ:従業員規模100人以下)

ポイント

  • 個別面談等を通じて従業員のキャリア意向を確認し、キャリア開発に反映させることが重要です。
  • 定期的に話し合いの場を設けることで、自らキャリアについて考え、成長を促す機会になります。

事例

上司による育成計画の作成

  • キャリア形成支援として、入社3年目、7年目、10年目に、自己申告書を作成した上で上司と人事面談を行っている。それを踏まえて、上司が3年間の育成計画を作成し、役員をメンバーとした人事育成委員会で共有してキャリアの実現をサポートしている。13年目の人事面談時に昇進希望を把握し、管理職への意欲を確認している。(株式会社アイセロ:従業員規模301人~1,000人)

キャリアデザインを共有する「キャリアデザイン面談」の導入

  • 男性管理職の課題として、部下の女性とキャリアデザインを共有できていないことが挙げられたことを踏まえ、人事評価の際に上司・部下でキャリアデザインを共有する場を「キャリアデザイン面談」として導入。「女性だから」という枕詞をつけて本人の意思を確認せずに決めるのではなく、本人の意思を尊重することを重視している。(株式会社FTS:従業員規模1,001人以上)

評価結果のフィードバックによる動機づけ

  • 年2回、賞与支給の際にグループリーダーが個々に面談をして、良かった点や改善点について話し合う機会を設け、キャリア開発とモチベーションの向上につながっている。女性職員から積極的な意見が出ることも多い。(コクネ製作株式会社:従業員規模100人以下)

1on1ミーティングの実施

  • 上司と部下が1対1で面談を行い、上司が部下の話を傾聴する「1on1ミーティング」を導入・実施している。双方の円滑なコミュニケーションを促すことで、部下のキャリア開発に活かしている。(従業員規模100人以下)

経営層による個人面談

  • 管理職候補者に対して、経営層(社長・専務)による個人面談を行い、キャリアに対する希望を確認するとともに、モチベーション向上につながるよう働きかけを行っている。(従業員規模100人以下)

ポイント

  • 女性の管理職登用に際して、社内にボトルネックとなっている規定等がある場合は、必要性や見直しを含めて検討を行うことも必要です。

事例

管理職登用における経験年数に関する規定を廃止

  • 以前は40歳以上でなければ管理職に就けなかったが(規定上は最短38歳)、経験年数に関する規定を廃止し、能力に応じてステップアップできるようにした。女性は産前・産後休業や育児休業の年数が経験年数に含められていたため、経験年数の規定を廃止することで、モチベーション向上につなげている。(株式会社FTS:従業員規模1,001人以上)

地域限定の管理職の設置

  • 管理職は転勤ができることが条件となっているが、転勤ができなくても能力があれば管理職になれるよう、地域限定の管理職を設定した。(従業員規模1,001人以上)

ポイント

  • 昇進や正社員への登用に必要なスキルや業務経験を明確化することで、従業員が目標をもって業務に取り組むことができます。
  • また、各階層に求められる資質が標準化されることで、マネジメントの質向上にもつながります。

事例

正社員登用基準の見える化

  • パートから正社員に登用する要件について、能力(特にマルチスキル)、必要な資格、勤務内容等を明示した結果、女性の正社員登用が進んでいる。(株式会社エーピーシィ:従業員規模100人以下)

キャリアアッププランの見える化

  • 勤続年数ごとの具体的な目標設定や、管理職への昇進・昇格に必要なスキル・キャリアを具体的に提示し、自社におけるキャリアアッププランを見える化している。(従業員規模100人以下)

役職者の役割の明示

  • 従来は、役職者の役割を統一的に示したものがなく、職場ごとに管理職の役割が異なっていた。役職者となる従業員が安心してポストに就けるよう全社的に役職者の役割を統一・明示するよう見直している。(春日井製菓株式会社:従業員規模301人~1,000人)

管理業務の細分化

  • 求める管理職像があって、それを社員が目指していくというより、その人に合った管理職を実現できる組織体系につくりかえていきたい。従来のように、すべてを担う鉄人タイプの管理職は想定せず、管理職の業務を細分化し、それぞれの職場の社員の状況に合わせて、管理業務の分担を図っている。管理業務を分担するために新たに社員を配置した部署もある。(株式会社エーピーシィ:従業員規模100人以下)

ポイント

  • パート従業員を正社員や管理職に登用する制度を設けることは、多様な従業員の能力発揮や意欲の向上につながります。
  • そのためにはパート従業員にも教育研修機会を提供し、スキル向上や意識啓発を行うことも重要です。

事例

パート従業員から正社員・管理職への登用

  • 他の従業員のサポートが自然とできており、意欲があるパート従業員に声をかけて、本人の合意が得られれば正社員に転換している。さらにその後、管理職へ登用された従業員もいる。(ペアコム株式会社:従業員規模100人以下)
  • パート従業員から正社員登用され、さらに管理職になった女性が複数名いる。現場のことも家庭こともよく理解しており、現場の従業員の信頼が厚い。「主任が頑張っているので、私たちも頑張りたい」という声があがるようになった。(株式会社スギテクノ:従業員規模100人以下)

パート従業員も含めた教育研修機会の付与

  • パート従業員を含む全従業員に対して、経営に関する勉強会(書籍の読み合わせ等)やマネジメント・ゲーム研修を実施し、楽しみながら経営感覚を育成している。パート従業員にも経営感覚をつけてもらいたいという思いがある。勉強会では従業員が自分の考えを書き、他者に意見を発信する経験を積むことを意識している。(ペアコム株式会社:従業員規模100人以下)

組織づくりに関する取組

ポイント

  • 女性活躍を組織的・継続的に推進するためには、社内にプロジェクトチームや専任部署を設置し、推進体制を整備することも効果的です。
  • 構成員を女性のみに限定せず、性別や年代、経歴などが異なるメンバーが話し合うことで、より実効性のある取組が行えることもあります。

事例

女性活躍推進プロジェクトの設置

  • 女性活躍推進法の施行を機に、トップダウンで人事部門主導の女性活躍推進プロジェクトチームを発足。プロジェクトメンバー主導で活動を展開しており、人事方がサポート役を務めている。これまでにジェンダーバイアスに関する社内の事例集作成や女性向け研修等を実施。メンバーは各所属で活動も率先しているほか、プロジェクトメンバーから生産管理部の初の女性管理職が誕生した。(株式会社FTS:従業員規模1,001人以上)
  • 副社長をトップとした全職種(管理職、事技職、技能職、実務職)で構成される女性活躍推進プロジェクト(「きらりプロジェクト」)を設置。女性活躍に関する現場の課題を出し合い、役員に提案。これまでに、イクボスの育成や社内環境整備、各種制度の改善について提案され、課題解決につながっている。(株式会社アイシン:従業員規模1,001人以上)

社内の環境改善に取り組むプロジェクトチームの設置

  • 女性活躍推進法の施行を機に、従業員の性別役割分担意識や職場風土改革が喫緊の課題と考え、社内の環境改善に取り組むプロジェクトチーム(「OKWoMen」)を発足。会社の持続的な発展のためには、従業員全員の働く環境整備が必要という考えに基づき、社内の様々な環境改善に取り組んでいる。(株式会社大川原製作所:従業員規模101人~300人)

タイバーシティ委員会の設置

  • 国内の全事業所の代表メンバーで構成されるダイバーシティ委員会を設置。社長が委員長を務める。ダイバーシティを「我が事化」し、働き方の改革に取り組むため、職場コミュニケーションの活性化に向けた活動を行っている。活動の一環として、男性の育児・家事参画、不妊治療と仕事の両立等、様々なテーマで講演会を開催し、その動画を各職場の研修で流し、職場内でダイバーシティに関わる対話をするといった活動も行っている。(カゴメ株式会社:従業員規模1,001人以上)

ポイント

  • 部門の垣根を越えて社内コミュニケーションを促進することで、働きやすい職場環境づくりにつながります。

事例

社内コミュニケーションの活性化

  • 社内コミュニケーションを活性化し、ワーク・ライフ・バランスを実現できる職場環境づくりに取り組んでいる。具体例として、女性が女性の管理職に相談しやすい環境づくりや、チャットツール導入による円滑な情報共有の促進、従業員同士の交流会費用の一部を会社が負担する制度等が挙げられる。(株式会社テルミック:従業員規模101人~300人)

従業員幸福度向上への取組

  • 2019年以降、会社方針のトップに「従業員幸福度向上」を掲げ、2025年までに「幸福度80%達成」を目標とし取組を開始。企業活動を進めるのは人、従業員を大切にし会社生活を通じて幸せになってもらうことで、それぞれの持ち場立場でさらに活躍してもらうことをねらいとしている。
    幸福度向上の専門部署として「しあわせ推進室」を設立、全社幸福度向上活動の旗振り役として、従業員の声を聴き、人事制度の新設・改定や活動を提案・実行。(豊田鉄工株式会社:従業員規模1,001人以上)

ポイント

  • これまで商品開発の現場に女性が少なかった企業では、女性が主体となって企画や商品開発を行うことで、多様な視点やアイデアを活かすことにつながります。

事例

女性活躍×気づき

  • 女性職員が中心となり女性向けのロッカーの企画から商品化まで担当した。開発だけだなく、ブランド名を決めて、登録商標・実用新案の申請まで行った。製品化されることで参加メンバーの自信に繋がっている。女性だからこそ気が付く点も多々あり、顧客からも「女性目線ですね」と反響がある。(アルプススチール株式会社:従業員規模101人~300人)